キングダム Raw
中華史上、初めて統一を成し遂げた秦の始皇帝、?政(えいせい)の右腕である李信将軍がモデルになっている信が主人公である春秋戦国時代を舞台としたストーリー。
テレビでアニメ版が放送されたり、映画実写版でも放映されており、キングダムを読んだ事がなくてもキングダムの名前を知っている人は少なくないでしょう。
私個人としてはキングダムは日本の漫画史上に名作として名前を残す事は間違いないであろうと思っています。
キングダムの作者である原泰久先生は大の歴史好きとして知られています。
キングダムは中国の歴史書である史記を参考に描かれております。
しかし、史記はそもそも大昔の記録であるという事と始皇帝が死んだ後に焼かれたという説もあって謎に包まれた部分が多い歴史書でもあるんです。
秦の始皇帝は中華統一を中華史上で初めて達成するも、始皇帝の死後、たった15年で滅亡する事になります。
秦の始皇帝は徹底した恐怖政治を行ったと知られている人物でもありました。
その血塗られた政治体制に不満を抱く者や反対する勢力も多く存在したはずです。
そういった理由から秦の始皇帝の時代を記録するような書物は残すべきではないという考え方から、秦の始皇帝死後に書物が焼かれたという説もあるようですね。
あまりに大昔の出来事なので真実は今となっては誰も知る事はできませんが、史記に記録されている事は一部でしかありません。
こんな背景から史記に登場してくる人物には謎が多いのです。
キングダムの主人公である信のモデルとなっている李信将軍も、その謎多き人物の1人です。
キングダムのストーリーでは下僕から将軍に成り上がるという前例のないような大出世をしていますが、本当に李信将軍が存在したとしたら一体どのような人物だったのでしょうか?
個人的は下僕のような身分の人間が将軍どころか、軍の重要な役職に就くというのは、ちょっと違和感がありますよね。
ただ、それこそがこのキングダムという作品の面白いところであり魅力的な部分だと言えるでしょう。
こういった絶対にありえないような事を題材にしてしまうところが原泰久先生のスゴイところですよね。
別に歴史を証明する根拠となるような証拠は何もないので、もしかすると本当に李信将軍は下僕で、本当に将軍に昇りつめたような人物であるという事を否定する事はできません。
こういったところにロマンと言いますか、夢があるといいますか、歴史好きな人間にとっては夢膨らむところなんですよ。
また、登場人物の描き方が素晴らしい。
例えば、私が個人的に好きなキャラクターは何と言っても桓騎ですかね。
キングダムに登場する桓騎は野盗出身であり、同じ軍に属する幹部ですら、桓騎の過去を知る人はいません。
唯一、桓騎の過去の一部を知るのは砂鬼一家だけ。
しかし、砂鬼一家ですら桓騎の全てを知っているわけではありません。
今後の話の展開で桓騎が、どこから来て、どんな目的をもって進んでいるのか?こんな部分が明らかになっていくのではないでしょうか?
自分としては、このあたりにスゴク興味があってワクワクするところですね。
ちなみに、桓騎の右腕をやっている雷土というキャラの強い人物が登場します。
史記には登場しないのかな?すみません、私はそこまでしっかりと調べていないのですが、この雷土というキャラも超好きです。
桓騎軍は野盗の寄せ集め集団です。
もともとは雷土も野盗の頭目だったのですが、桓騎に負けたか口説かれたか?で桓騎軍に吸収されたようです。
この雷土も凶暴な性格で桓騎軍の幹部として適任と言いますか、非常に強烈なインパクトを出して登場してきます。
でも、雷土は桓騎に惚れ込んでいる人物の1人でもあります。
桓騎は謎が多いだけでなく、自分の考えや戦略を全て部下に伝える事は稀なのです。
そんなところから時として、部下たちは桓騎の考え方についていけず桓騎を疑ったりするシーンも、しばしば登場しています。
でも、雷土に関しては別です。
時として、雷土ですら桓騎の考えが読めずに不安になる事もありました。
しかし、桓騎は常に良い意味で部下たちの考えを裏切り、どんなに強い相手でも誰も想像しないような方法で勝利を収めます。
こういった桓騎の謎めいた部分がありながらも、必ず最後には勝利をつかむ、その圧倒的な強さを何度も見せつけているという理由から雷土は桓騎を信じ続けるのです。
そんな魅力的な桓騎と雷土との関係や、やりとりにも注目してみてはいかがでしょうか?
キングダムは本当に魅力的で素晴らしい作品です。
そして、気がつけば作品の中に引き込まれてしまう本当にスゴイ作品です!名作中の名作です。
あなたも興味があれば、ぜひキングダムを購入してみてくださいね!